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2025.11.19

川島英之環境情報学部教授が国際会議VLDB 2025で論文を発表

川島英之環境情報学部教授が、ロンドンで行われた国際会議VLDB 2025で論文を発表しました。トランザクション処理を高性能化する手法についての論文で、トランザクション処理とは、銀行振込やクレジットカード決済で必要不可欠な基幹技術です。

VLDB(Very Large Data Bases)は、データ管理やスケーラブルなデータサイエンスに関する研究者、ベンダー、実務家、開発者、ユーザーなど幅広い分野の専門家を対象とした、毎年開催される国際会議です。コンピュータサイエンス分野の学会や会議の質の高さを格付けする評価システムであるCORE Rank(Computing Research and Education Association of Australasia)でA*を獲得しており、世界最高峰レベルの会議であるVLDBで論文が採択・発表されることは、大変素晴らしい功績です。

論文名

Oze: Decentralized Graph-Based Concurrency Control for Long-Running Update Transactions
Jun Nemoto, Taksahi Kambayashi, Takashi Hoshino, Hideyuki Kawashima

川島英之教授のコメント

本論文をデータベース分野のトップカンファレンスであるVLDBで発表しました。コンピュータサイエンスの国際会議には色々なレベルのものがありますが、VLDBは最高峰会議として認識されています(CORE Rank =A*)。審査は非常に厳格で丁寧であり、そのために論文品質を大幅に向上できました。審査員の皆様には心から感謝しています。

決済で使われることが多いトランザクションですが、実は製造業の部品組み立てでも使われます。この場合、決済とは異なりトランザクションはとても長くなります。そして、近代的技法は狭い理論空間を用いているため、性能が劣化します。

一方、広大な空間を有する手法にMVSGがあります。これは1983,85,88年あたりに研究されていましたが、その並列化は30年位探求されてきませんでした。我々はMVSGをdecentralizationする手法を発見し、これによりMVSGの並列処理を実現可能にしました。提案手法Ozeはシンプルで美しい技術だと思います。

この技術により、これまで諦められてきたソーシャルネットワークやデータレイクのリアルタイム変更を実現し、世界をもっと透明にしていきたく思います。

KawashimaHideyuki

VLDB 2025
川島 英之 環境情報学部教授 教員プロフィール
川島 英之研究会

発信者:湘南藤沢事務室 総務担当