自然共生サイト
SFCは環境省の「自然共生サイト」に認定されています(令和6年度後期)。湘南藤沢キャンパス自然共生サイト(以下「SFC自然共生サイト」)は、都市化が進む湘南藤沢地域において、豊かな自然環境が残り、生物多様性が高いエリアに位置しています。SFCでは、このエリアの自然環境・生物多様性の保全及びサステイナブルな地域づくり・キャンパスづくりに向けて、教育・研究機関の場としての強みを活かし、最新の技術も取り入れた先進的な取り組みを積極的に実施しています。
自然共生サイト
「自然共生サイト」は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標(30by30目標)達成に向け、生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」として国が認定する令和5年度から始まった取り組みです。30by30は、生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」において掲げられた世界目標であり、2030年までの「ネイチャーポジティブ(*1)」を目指す行動目標のひとつです。自然共生サイトに認定された区域は「OECM(*2)」として国際データベースに登録されます。
*1 ネイチャーポジティブ:自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること
*2 Other Effective area-based Conservation Measures:国立公園などの法的に設定された保護地域以外で、生物多様性を効果的にかつ長期的に保全する地域
SFC自然共生サイト概要
湘南藤沢キャンパス自然共生サイト(以下「SFC自然共生サイト」)は、大学の学部・大学院、研究所、中学・高校が集う教育・研究機関の場であり、それらの施設を囲むようにして約13ヘクタールの樹林地を有します。樹林地は、主にシラカシ・スダジイが優占する常緑広葉樹の造成林と、キャンパス造成前から残るクヌギ・コナラが優占する落葉広葉樹の二次林で構成され、その他に調整池やキャンパス裏手に造成された湿地性ビオトープなどの水辺環境、ススキやチガヤ、芝地などの草地環境が広がっています。
また、SFC自然共生サイトは、都市化が進む湘南藤沢地域において、農地と丘陵域が広がる地域に位置し、藤沢市内でも生物多様性が高いエリアの1つである遠藤笹窪谷に隣接しています。生物多様性の高い緑地に囲まれ、エコロジカルネットワークの一角に位置するため、さまざまな自然環境が維持されることで、キャンパス内には里山に見られる多くの動植物の生息が確認され、生息・生育場所として機能しています。
SFC では、エリアの特性を鑑み、地域の自然環境・生物多様性保全及びサステイナブルな地域づくり・キャンパスづくりに向けて、自然環境保全活動を実践してきました。この保全活動に当たっては、教育・研究機関の場としての強みを活かし、環境 DNA、リモートセンシング技術による生物多様性モニタリングを実践するなど、最新の技術も取り入れた先進的な取り組みを積極的に実施しています。今後も地域のエコロジカルネットワークの一角として、地域との連携や教育研究機関としての先進的な取り組みを図りながら、SFC自然共生サイトの保全・管理を進め、地域の生物多様性保全への貢献を果たしていきます。
<参考> 令和6年度後期「自然共生サイト」認定結果について(環境省)
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